TIG溶接とスポット溶接の違いとは?現場の「脱職人化」と「効率化」を実現する工法転換

板金加工の現場において、美しく強固な接合ができるTIG溶接は非常に頼りになる技術です。その一方で、「とりあえず何でもTIG溶接でつないでいる」という現場も少なくありません。
今回は、TIG溶接とスポット溶接の根本的な違いを整理し、スポット溶接へ切り替える「工法転換」が現場にもたらすメリットをご紹介します。
TIG溶接とスポット溶接の違い
まずは、両者の溶接の仕組みと、得意とする領域の違いについて整理します。
・TIG溶接:アーク(火花)の熱で金属を溶かす方式です。水密性や気密性が求められる製品に最適ですが、両手を使う繊細な作業であり、接合に時間がかかります。
・スポット溶接:金属を重ね合わせて電極で挟み、電気の抵抗熱で溶かし合わせる方式です。一瞬で接合が終わるため非常にスピーディで、溶接棒も不要です。
この2つの工法の決定的な違いは、「作業スピード」と「作業者に求められる技術力」にあります。
TIG溶接に頼り続ける現場が抱える課題
高品質なTIG溶接ですが、すべての接合をTIGに依存してしまうと、現場に以下のような負担が生まれます。
・技術継承の壁:職人の感覚や経験への依存が強く、新人が安定した品質を出せるようになるまで長い時間がかかります。
・TIG溶接:熱による「歪み」の修正や、「焼け」を落とすためのグラインダー作業など、溶接後の仕上げ工程に多くの時間が奪われます。
TIG溶接からスポット溶接へ「工法転換」するメリット
TIG溶接で行っていた工程の一部をスポット溶接に切り替えることで、板金現場の課題を大きく改善できます。
・板金溶接の効率化:数十秒かかっていた接合がわずか1秒未満で完了するようになり、トータルの製造コストとリードタイムを大幅に削減できます。
・溶接の脱職人化:単純な動作で接合できるため初心者への教育が比較的容易になり、誰でも熟練者と同じ安定した強度で溶接が可能になります。
・仕上げ工数の削減:熱の影響が局所的なため熱歪みが激減し、二次加工の手間を大きく省くことができます。
工法転換の判断基準と「MYSPOT」の役割
スポット溶接へ切り替えられる第一の基準は、金属の板同士が「重なり合っている」構造になっているかどうかです。設計段階で少し工夫するだけで、スポット溶接への移行が可能になるケースも多くあります。
向洋技研のテーブルスポット溶接機「MYSPOT」は、通常の機械では扱いが難しい大型の板金部品でも、テーブル上で安定して一人で作業できるため、TIG溶接からのスムーズな工法転換を後押しします。
▼MYSPOTの詳細はこちら
https://koyogiken.co.jp/whats_myspot/
適材適所の工法選択で、生産性の高い現場へ
TIG溶接は優れた接合技術ですが、すべての工程でTIG溶接に頼ってしまうと、作業者の負担や仕上げにかかる時間が増大し、生産性の低下を招きかねません。
設計段階からの見直しも含め、一部の工程をスポット溶接に切り替える「工法転換」は、作業スピードの飛躍的な向上や脱職人化など、現場が抱える多くの課題を解決する有効な手段です。
「溶接の工数がかかりすぎている」「技術の継承に不安がある」「自社の図面で工法転換ができるか知りたい」といったお悩みがございましたら、向洋技研へお気軽にお問い合わせください。現場に寄り添った最適な解決策をご提案いたします。