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スタッド溶接とは?ボルトとの違いや仕組み、現場の課題と解決策

Welding Knowledge

板金や金属加工の現場において、部品の取り付けや組み立てに広く用いられているのが「スタッド溶接」です。

しかし、実際の現場では「溶接時に発生するスパッタの除去に手間がかかる」「直角度が安定せず手直しが発生する」といった悩みを抱えているケースも少なくありません。一見シンプルな接合ですが、スタッドの接合不良や強度のバラつきは、品質低下や後工程の遅れに直結します。

本記事では、そもそも「スタッド」とはどのようなものか、ボルトとの違いや種類といった基礎知識を整理した上で、現場の課題を解決し、仕上げ工程や検査の手間を大幅に削減する最新のスタッド溶接技術についてご説明します。

1. スタッドとは?

まずは、「スタッド」という用語の基本的な意味と、一般的なボルトとの違いについて確認しましょう。

 

スタッドの役割と意味

スタッド(Stud)は、英語で「頭のない釘」や「植え込みボルト」を意味する言葉です。板金加工の分野においては、主に母材に直接溶接して取り付けるための突起物全般を指します。 部品同士を組み立てる際の軸となったり、基板を固定するためのスペーサーとして機能したりと、製品の組み立て工程に欠かせない技術です。

 

一般的な「ボルト」との違い

一般的なボルトは、頭部があり、あらかじめ開けられたネジ穴にねじ込んだり、ナットと組み合わせて部材を挟み込んだりして固定します。
一方、溶接用のスタッドには頭部がなく、代わりに溶接用の「フランジ」や突起が設けられています。母材に穴を開けることなく、表面に直接溶接して「植え付ける」ことができる点が最大の違いです。これにより、製品の気密性や水密性を保ちやすくなります。

2. 主なスタッド・ファスナーの種類

スタッドには、溶接の方式や用途に合わせていくつかの種類が存在します。

 

CD式(コンデンサ放電式)スタッド:

スタッド溶接として最も普及している方式の一つです。スタッドの先端にある小さな突起にコンデンサに蓄えた電気を瞬時に放電し、溶かして接合します。手軽である反面、スパッタが出やすく、直角度の確保に技術が求められます。

 

アークスタッド:

スタッドと母材の間にアークを発生させ、両者を溶融させて接合する方式です。主に建築現場や太いスタッドの溶接で用いられます。

 

プロジェクション(抵抗溶接)方式スタッド:

スポット溶接機などの抵抗溶接機を用いて接合するスタッドです。スタッドのフランジ部分に突起が設けられており、そこに電流を集中させて抵抗発熱を起こし、加圧しながら接合します。

3. スタッド溶接の仕組みとメリット

スタッド溶接は、母材にスタッドを押し当て、そこに大電流を流すことで発生する熱を利用して、瞬時に金属同士を溶かし合わせる仕組みです。
通常のボルト留めと比較して、以下のようなメリットがあります。

 

穴あけやタップ加工が不要:

母材にネジ穴を切る工程が省けるため、加工時間を短縮できます。

 

片面からの作業で完結:

裏側にナットを回すスペースがなくても、片面からのアプローチだけで強固なボルトやナットを設置できます。

 

裏面のデザイン性を維持:

適切な条件で溶接を行えば、反対側の面をフラットな状態に保つことができ、製品の美観を損ないません。

4. よくある現場の課題

メリットが多いスタッド溶接ですが、従来の方式では、現場の作業者を悩ませるいくつかの課題が存在します。

 

課題① スパッタ除去の手間(ネジ山の保護)

溶接時に金属が激しく飛散する「スパッタ」が発生すると、製品の表面が汚れるだけでなく、スタッドの「ネジ山」にスパッタが付着してしまうことがあります。ネジ山にスパッタが噛むとナットが回らなくなるため、溶接後に一つひとつダイスを通してネジ山をさらうという、非常に手間のかかる仕上げ作業が発生します。

 

課題② 面直(直角度)の検査工数

スタッドが母材に対して垂直(90度)に溶接されていないと、後工程で部品を組み立てる際に穴にはまらなくなってしまいます。そのため、溶接後に専用の治具を使って「面直が出ているか」を全数検査したり、斜めになってしまったスタッドをハンマーで叩いて修正(手直し)したりする無駄な工数が発生しがちです。

 

課題③ 溶接強度のバラつき

接合部(ナゲット)が十分に形成されていないと、組み立て時にナットを強く締め付けた瞬間にスタッドごと根本から「ポロッ」とねじ切れてしまう(剥がれてしまう)という深刻なトラブルが起こります。作業者の勘や経験、あるいは不安定な接合方式に頼っていると、この強度のバラつきを防ぐことは困難です。

スタッド溶接の課題を解決し、品質を安定させるには

「スタッド」は、板金製品の組み立てに欠かせない重要な要素技術です。母材に穴を開けずに接合できるという大きなメリットがある一方で、従来の溶接方式では「スパッタの除去」や「直角度のバラつき」といった後工程の負担が現場の課題となっていました。

これらの課題を根本から解決するためには、溶接条件の見直しはもちろんのこと、安定した接合ができる「新しいスタッド・ファスナー」を取り入れることも有効な手段です。

向洋技研では、独自の突起形状によって圧倒的な直角度と安定強度を実現し、スパッタ除去の手間をなくす新型スタッドをご提案しています。

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向洋技研では、製品のご提供だけではなく、お客様の実際のワークを用いたサンプルトライや溶接条件の最適化など、現場に寄り添ったサポートを行っております。スタッド溶接の不良や仕上げ工数の多さにお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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