本社と工場一体化による一貫体制
1972年創業、今年で53年目を迎える富士精密株式会社は、栃木県宇都宮市の平出 (ひらいで) 工業団地にある。
もともとは、本社を東京、工場を宇都宮と分けていたが、コロナ禍を経て本社機能も宇都宮に移し一本化。
「営業は製造に近いところにおいておきたい」という社長の信念のもと、本社と工場が一体となり、設計・板金・組立・塗装等すべてを社内で一貫生産している。
社的スローガンは、『それでお客様は満足か』。 OEMに徹している為、まずお客様をどう満足させるか、が最重要だという。
今回はそんな富士精密株式会社の山田敏明社長にお話を伺った。
スポット溶接機との出会い
富士精密株式会社にテーブルスポットが採用されたのは1994年のこと。大きな側板を普通のスポットで生産すると、傷だらけになってしまう現実を前に、テーブルスポットを導入。瞬く間に、テーブルスポットは大活躍となった。そして、その5年後には2台目を検討。しかし、その際にテーブルの大きさを拡張したい、との申し出があった。テーブルがもっと横に長ければ、溶接の際の搬送擦れを防げるのではと考えたからだ。「あの時、無理言って、テーブルの長さを倍にしてもらったんです」と語る山田社長。
この富士精密株式会社の2つの機械は長い間、多くのスポット作業を休みなく担ってきた。「製品の塗装に手が掛かるか掛からないか、はスポットで決まるんですよ」と語る山田社長。テーブルスポット導入前は板金と塗装で協議しながらパテをつけて研いで・・・の日々だったという。その作業を不要にし、かつ大量の製品の製造を可能にしたのは、まさにテーブルスポット、と続ける。
「25年前に、大量の金融機器の生産があった。本当に受けることは到底できないような分量。その時もテーブルスポットで乗り切った。マイスポットは本当にものすごい効力を持っているよ」と語る。あらゆる時代の変遷を経て、導入から32年目の1号機も、27年目の2号機も、今でも朝から元気にフル稼働。背中合わせで設置された2つの機械は、さながら1つの巨大なスポット作業場のようにも見えてくる。

数年前、今までとは少し違うタイプのATMの量産が始まった富士精密。「絶対にもう一台なかったら、この仕事はできない、と社長にお願いしたんです」という安達取締役。
3台目として、2023年に発売された新シリーズのNK-23HV1015-KG-EZKを導入した。もちろん朝から晩までフル稼働している。「あの機械はね、さらにいい力持ってるよね。昔の機械と比べると、いろいろ考えられてて、非常に素晴らしい」とのコメント。実際の使い勝手を、石川製造部長にお聞きすると「1台目2台目の機械と比べて、3台目はまず軽さが違うんですよ。結構大きい製品を扱うので、アームをあっちこっちへ振り回す動作が多いのですが、その軽さがもう数段上がっていまして。」と話す。また、1台目2台目のテーブルスポットはテーブルが固定され、動かなかったのだが 3台目は上下に動く。作業者自身の作業高さに固定でき、作業の負担がかなり軽減されているという。

今後の展望
山田社長は、「我々がこれからどういう方向に向かって行くか。それを考えた時、うちの強みはやっぱり『一気通貫』。そして、そういう営業をさらに進めていきたい」と意気込む。うちは他社との価格競争はしない、という営業戦略。実際、世間一般には板金塗装 組立、そのすべてに専門業者がいる。それらの専門業者と、それぞれに価格で戦っても、絶対にかなわない。お客様には、『トータルで考えたとき、手間や管理を省けると考えて』と伝えている。そう考えたら絶対にお客様にメリットが出るはず、と続ける。
富士精密株式会社ではもう50年近くこの方針を変えていない。「既存のお客様はこの価値をわかっているけれど、日本では古くからの商流の変更を嫌がる傾向があるため、新しいお客様にはこの『一気通貫』がなかなか伝わらない場合がある。うちの将来を考えた時にこれを一つ一つ超えていくことが一番の課題なのかなと思いますね。と続けた。

導入製品・サービス
会社情報
富士精密株式会社
〒321-0905
栃木県宇都宮市平出工業団地21番地4
TEL:028-662-2611(代表)
FAX:028-661-9679
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